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マイクロロンとは?

マイクロロンは0.001ミクロンから5ミクロンの大きさに砕いたフッ素樹脂を有効成分とする金属表面処理剤で、いわゆる潤滑オイルやオイル添加剤ではありません。
マイクロロンに使用されているフッ素樹脂は、液中の分散が容易に行われ、金属表面へ効果的に定着処理されるように特殊加工されています。このため、マイクロロンに使用されているフッ素樹脂は、広く一般に知られているテフロン(デュポン社のフッ素樹脂の商品名)、TFE(テトラフルオロエチレン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)と区別し、マイクロロン樹脂と呼んでいます。
マイクロロン樹脂の摩擦係数はきわめて低く(0.04:ちなみにグラファイトで0.15,スピンドルオイルで0.26)、酸化および強酸、強アルカリ、強酸化剤による科学反応を受けにくく、−250℃から+260℃での使用が可能です。

●金属表面処理の原理
普通、金属表面は平面と考えられます。ところが顕微鏡によればそこには無数の山や谷があり、その深さは0.1ミクロンから1.0ミクロンくらいです。光学的鏡面といわれる物が1.0ミクロン、プラスチック金型などのクロームメッキ面で0.05ミクロンから0.1ミクロン、車のシリンダー内壁で2〜3ミクロンくらいであるといわれています。この金属表面の谷にマイクロロン樹脂の微粒子をその分散液によって運び込み、加工されて定着し、そこに真正の平面を作らせます。これをインプラント(埋込)と呼んで、PTFEエナメルなどによるコーティング技術と区別しています。インプラントされたマイクロロン樹脂は相互に親和性がありますから、固まってアンカーをなし、その上に形成されるきわめて薄い膜は、10万分の1mmとされています。
従来のコーティングは、膜の厚さは30ミクロンくらいで、ピンホールをなくそうとすると50ミクロンくらいの厚さになります。つまりフィルムの積層を作り、金属表面にそれを密着させようとするものです。インプラントとの外観上の差はほとんどありません。しかし、インプラントの場合積層ではありませんので、剥離現象が無く、金属同士の摩擦がマイクロロン樹脂同士の摩擦に置き換わり、耐用温度を超える高温や極めて高い圧力を伴わない一般的な摺動面ではその寿命は半永久的です。

●マイクロロンメタルトリートメントリキッド
マイクロロンメタルトリートメントリキッド(ガソリンエンジン用およびディーゼルエンジン用)はエンジン内部のすべての摺動部分の摩擦を効果的かつ半永久に減少させることを目的に調剤された金属表面処理剤です。開発に当たっては、十分にテストを重ね安全で有効な処理が行われるように作られています。
現在一般に使われているエンジンオイルの多くは非常に優れた性質を備え、エンジン内部における摩擦を最大限に低下させています。しかし、摺動部分の金属表面の性質を変えることでさらに多くの効果を実現させることが可能です。マイクロロンは金属表面にマイクロロン樹脂の極めて薄い膜を形成し、摩擦と金属の摩耗を減少させます。そのため、処理の行われたエンジンのエンジンオイル中には摩耗金属粒子の現象が確認され、カーボンの付着やスラッジの形成を押さえます。
マイクロロンは、オイルやグリースの性質を変化させてその効果を上げるようにデザインされているオイル添加剤ではありません。マイクロロンはエンジンオイルや燃料中に混入されて各金属表面へ運ばれますが、決してそれらの性質を変えることはありません。

●処理による効果
処理を行った自動車や産業用エンジンの内部の疲労度や使用状況により、その効果に差は認められますが、指定の処理方法によりマイクロロンで処理を行った場合、処理後の金属摩耗は確実に減少いたします。摩擦および金属摩耗の現象から発生する効果は次の通りです。

●排気ガスの減少
マイクロロンによる処理の行われた内燃機関では、燃料消費とエンジンオイルの燃えが低下し、燃焼効率が高まります。実験によると、炭化水素、二酸化炭素の減少が確認されています。
※CO:-18.4% HC:-13.8% NOX:-13.8% (米国エネルギー庁エネルギー技術センター調べ)

●燃料消費の減少
処理の行われた内燃機関では、燃料消費の低下が認められます。実験結果では、処理された自動車の燃料消費は10%前後の低下が見られました。運転時間の短い新車の場合は、シリンダー内部の状況が良好な状態にあるため、数値はそれよりも低くなります。
また、燃料消費は、どのように車が運転されるかにより変わってきます。処理以前と同様の運転を続けられた場合、エンジンの全体的な効率の改善により、燃料消費の低下が見られます。しかし、エンジン効率の改善を利用し、加速性やスピードを求めようとすると、燃料消費の低下は期待できません。

●金属摩擦の減少
通常、50%以上の金属摩擦の低下が見られます。処理の行われた内燃機関のそれまでの運転時間、走行距離によってその金属摩耗低下率は変わってきます。処理前および処理後のエンジンオイルのサンプリングを行い、オイル中に含まれる残留金属粒子の分析でその数値を確認することが出来ます。

●エンジン効率/馬力の上昇
マイクロロンで処理の行われたエンジンにおいては、次の2つによりエンジン効率および馬力の改善が起こります。

エンジンの使用時間が経過するにつれて、摩耗した金属粒子やカーボン、ワニス、空気中のほこりなどの汚物がシリンダー内部壁面やピストンリング、リングシールに徐々に蓄積されていきます。その結果、ブローバイ現象(シリンダーとピストンとの気密保持が不完全で、圧縮や燃焼ガスがクランク室へ吹き抜ける現象)やコンプレッションの低下をまねきます。マイクロロンには効果的な洗浄作用を持たせてあり、このようなエンジン内部に蓄積された汚物を洗い流し分散させます。シリンダー内部壁面やピストンリング、リンググループが洗浄され処理(金属表面へのマイクロロン樹脂のインプラントは時間の経過とともに徐々に行われる)が進むに従い、ブローバイの発生を抑え、コンプレッションを改善あるいは正常値に戻し、各シリンダー内のコンプレッションを均等にし、エンジン効率を向上します。
マイクロロンによる処理が行われると、アイドリング時のエンジン回転数が上昇することがあります。これはエンジン内部の摩擦が全体的に低下しコンプレッションが正常値に戻るためです。しかし、コンピューター制御装置を持ったフューエルインジェクター付きのエンジンでは、アイドリング時のエンジン回転数が一定に設定されているために、マニュアルタイプのキャブレターを持ったエンジンに発生するような回転数の上昇は見られません。

●運転時の温度の低下
シリンダー内部壁面の摩耗の低下と消費燃料の現象により、エンジン内部で発生する熱は低くなり、クーリングシステムおよび、エンジンオイルへ伝わる熱も低下します。

●ドライスタートからの保護
エンジンが冷えて、かつシリンダー内部の油膜が薄くなったエンジンを始動(ドライスタート)させてからの十数秒間が、エンジン内部の金属が極度に摩耗するときです。
エンジン内部の金属摩耗の80%以上が、エンジンオイルが潤滑経路のすべてに行き渡るまでのこの数分間の間に発生します。処理の行われた金属表面には、潤滑効果を持つマイクロロン樹脂の皮膜が形成され、衝動部分の金属摩耗を低下させます。

●エンジンオイル消費量の低下
通常、オイル消費の減少は確実に起こります。エンジンによっては、50%までは減少することがあります。しかし、過去にオーバーヒートを起こして熱によるゆがみが発生しているエンジン、過度の金属摩耗が発生しピストンクリアランスが大きくなり過ぎているエンジン、あるいは他の機械的な故障がすでに現れているためにエンジンオイルの消費量が増加している場合にはこの限りではありません。
エンジンオイルの消費の大部分は、オイルが燃焼されることで起こります。これはピストンが上死点に達したときシリンダー内壁の細孔や上部のピストングルーブ内にたまっているオイルが、爆発が起こる際の熱により燃焼するためです。マイクロロンによりカーボンやワニス、空気中の埃で汚れたピストンリングを洗浄し、シリンダー内壁の細孔をふさぎ、ピストンクリアランスを修正することでオイル消費の減少が起こるのです。

●エンジン内部の防蝕
マイクロロンで処理された金属面は、湿気や酸による錆や腐食から保護します。産業用農業用エンジンなどで、ある期間、長期にわたり運転を行わず保管する場合にエンジン内部の錆や腐食に効果的です。

●エンジン始動を容易にする
処理の行われたエンジンは、より容易に早く回転させることが出来ます。このため、スターターモーターにかかる負担は少なくなり、バッテリーやオルタネーターにも良い結果をもたらします。寒冷地での始動も容易になります。

●振動と騒音の減少
摩擦の減少と各シリンダーのコンプレッションの均一化により、機械の動きが滑らかになります。このため振動が減少し、そのエンジンに付属するすべての部品を振動による摩耗や劣化から守ります。また、振動により発生する騒音を低下させます。

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